1級建築施工管理技士は、建築現場の施工管理において最も権威のある国家資格です。

今回は、3月に第二次検定試験に合格されたばかりの丹野さんにインタビューを行いました。過去問への取り組み方や二次試験の記述問題の対策など、具体的な勉強方法についてお伺いしました!

(プロフィール)・丹野寛樹(サンリーの家/現場管理):北海道出身。大学卒業後にゼネコン、ハウスメーカー勤務を経てサンリーグループに入社。趣味はサッカーとゴルフ。

現場の質問に自信を持って答えるため、資格取得を目指して学ぶことに

ーーまず、1級建築施工管理技士の資格を取ろうと思った理由を教えてください。

丹野さん:前の会社に1級建築施工管理技士の資格を持っている方がたくさんいたからというのもありますし、実際に現場で作業をしている際に、職人さんから「ここはどうなってるの? 」と聞かれた時に、答えられないことに無力さを感じていました。これらをきっかけに、資格を取得して知識を増やそうと思いました。

ーーでは、前の会社におられた時から、資格を取ろうと思っておられたのですね。

丹野さん:そうですね。サンリーグループに入社する前から資格の取得を考えていました。1級建築施工管理技士の試験は、一次試験に合格した後、実務経験を経て二次試験を受験できます。一次試験は前の会社にいた時に受験し、二次試験は前の会社とサンリーグループでの経験がちょうど満たされた昨年に、受験しました。

ーーちなみに、2級建築施工管理技士の資格も持っておられるのですか?

丹野さん:はい。2級の資格は、前の会社にいた時に取得しました。

一次試験も二次試験も、10年分の過去問をひたすら解く!

ーー独学、スクール、通信講座の中から、どの方法で勉強されていましたか?

丹野さん:2級の時は一次試験を独学でして、二次試験はスクールに通いました。1級の一次試験も独学のつもりだったのですが、勉強する時間がなく、スクールにした方が勉強するかなと思い、スクールにしました。二次試験は独学です。

ーースクールはどこに通われていたのですか?

丹野さん:総合資格学院です。前の会社の先輩に紹介していただいて、通うことにしました。毎週日曜日に3〜4ヶ月間通っていました。

ーースクール以外では、どんな勉強法を実践されていましたか?

丹野さん:一次試験も二次試験も、過去問を10年分ひたすら解いていました。

ーー1年や2年でなく、10年分の過去問を解いていたのですね。

丹野さん:出題される問題は、過去の問題から出題されるケースが多いので、10年分の過去問を見ておけば、問題の傾向なども分かります。そのため、過去問10年分を10回以上は解いてましたね。

ーー10回以上も!テキストを読んで覚えてから過去問に取り組むのではなく、どんどん過去問を解いていったのですか?

丹野さん:そうですね。総合資格学院で配布されたテキストには、重要なポイントが太字や赤字で示されていて、そこから出題される傾向が高いので、その部分をしっかり覚えれば、問題に答えられるという感じでした。

ーー二次試験の施工経験記述が重要なポイントだと聞きましたが、どのように対策をされていましたか?

丹野さん:施工経験記述は、毎年出題されるテーマが変わります。例えば、その年のテーマが安全に関するものであれば、次の年も同じテーマが出ることは基本的にありません。そのため、過去に出ていないテーマに的を絞って勉強することが効果的だと思います。

ーー丹野さんが受験された年は、どんなテーマだったのですか?

丹野さん:実は、私が受験した年から問題の出題傾向が変わってしまって‥‥‥。それまでの経験記述の問題は、実際の働いてきた現場の情報を基に、自分が何をしてきたのかを記述する内容でしたが、昨年の問題からは先に現場の例が決められていて、その中で自分たちが気をつけることなどを書く形式になっていました。

ーーつまり、架空の状態から考えるということですか?

丹野さん:そうです。実際に自分たちが担当してきた現場のことを書くのではなく、架空の工事に対して自分が何ができるかを書く出題になっていました。これまでのパターンより、難しかったですね‥‥‥。

現場が完成し、お客様が喜んでいる姿を見るのがやりがい

ーー資格を取得される前と後で、業務内容はどのように変わりましたか?

丹野さん:資格を取得してからまだ2ヶ月ほどしか経っていないので、特に変化はないのですが、現在担当している工事の物件がかなり多いので、そういう時に、職人さんからの質問に対して答えられることが増えたかなと思います。

ーーそもそもで申し訳ないのですが、施工管理技士の方は、具体的にどのような業務を行っているのですか?

丹野さん:施工管理技士としては、現場監督の役割を担い、施工管理の立案や工程管理、品質管理、安全管理などを行っています。他には、原価管理も業務の一部ですが、こちらは田中課長が担当しています。

ーー業務において、どんな時にやりがいを感じますか?

丹野さん:一番は、現場が完成した時です。お客様が喜んでおられる姿を見ると、職人さんにも感謝ですし、頑張ってよかったなと思えます。

ーー逆に、困難を感じるのは、どんな時ですか?

丹野さん:現場でうまくいかないことや、図面通りに進まないことがあると、それを解決するために時間を要します。そのため、一つ一つの問題に対応するのが大変ですね。

ーー上手くいかないことで、工事が遅れてしまったり?

丹野さん:そうですね。それで工事が止まるので、早期に解決したいのですが、自分ではどうしようもない時もあります。そうなったら、一回事務所に持って帰るしかないですね。

ーーそういうことは、どのくらいあるのですか?

丹野さん:しょっちゅうですね‥‥‥(笑)。

ーーしょっちゅうなんですか‥‥‥!そういう時の気持ちの切り替え方とかはありますか?

丹野さん:切り替えとしては、早期に解決するしかないですね。案件が溜まっていくと大変なので、ちゃんと精査して一つずつ解決していきます。

二次試験はスクールに通った方が合格の近道

ーー他にも、取りたい資格はありますか?

丹野さん:二級建築士の資格を取れたらなと考えています。自分で図面を描けるようになれたら、現場のことがもっと分かるかなと思うので。

ーー設計にまで挑戦しようとしておられて素晴らしいです!最後に、1級建築施工管理技士の資格取得を目指す方へアドバイスがありましたら、お願いします。

丹野さん:1級施工管理技士の資格は国家資格になるので、施工管理の仕事をするうえで持っていて損はないかなと思います。勉強については、二次試験は記述問題が多くあるのでスクールに通った方がよいかなと思います。一次試験もスクールに通うのが効果的かと思いますが、過去問題を独学でしっかりと勉強すれば合格できるはずです。

ーーなるほど。出題傾向も変わったのなら、おっしゃる通り、二次試験はスクールに通う方が効果的かもしれませんね。今日は、ありがとうございました!