前編では、入社前と入社後のギャップや、同期との成長スピードの違いについてのお悩みにお答えいただきました。

後編では、仕事のモチベーションやコミュニケーションに関するお悩みを3つ取り上げ、社長の考えをさらに深く掘り下げていきます!

(プロフィール)小林社長:株式会社サンリー・ホールディングス代表取締役社長/高校卒業後、大工としてキャリアをスタート。創業者である会長とともにサンリーグループを牽引。

業務量が多いのは、高い目標や大きな成果を目指しているから

ーーでは、悩みの3つ目についてお伺いします。こちらは業務に慣れてきた頃に感じる悩みで、業務量が増えて仕事が追いつかなくなり、モチベーションが下がってしまうということがあるようです。

小林社長:業務量が多くて仕事が追いつかないとなると、業務をこなすこと自体が仕事になっているという所だと思うんですね。

だから「好きこそ物の上手なれ」なんですよ。目標を達成したいという気持ちでその過程を楽しむことが仕事の本質なので。業務量が多いということは、高い目標や大きな成果に向かっている証拠ですから、仕事がたくさんあるのは当然です。逆に、業務量が少ないということは、低い目標にしか到達できないということになります。

ーーなるほど。目標の高さが業務量に影響するのですね。

小林社長:私がよく例えるのは「ノミ」の話です。ノミって、あの小さくて見えないくらいの体で何メートルもジャンプするんですね。でも、コップの中にノミを入れて蓋をすると、頭がコップの蓋につくので、コップを取った後もその高さまでしかジャンプできなくなってしまうんです。つまり、目標が小さいと動く量も少なくなり、業務量も減ってしまうということです。ということは、ここ(テーブルから少し離れた場所を指しながら)までしか行けないんですよ。

ーーすごく小さいですね…。

小林社長:そうなんです。そこで満足してしまうのはもったいないです。当社が目指す所は、住環境の提供領域で最も必要とされる企業グループになることです。最も必要とされるためには、非常に高い目標を掲げなければなりません。エベレストよりも高く、宇宙圏に到達するようなものです。

例えば、宇宙に行くためには自転車や車では無理で、スペースシャトルが必要ですよね。そして、スペースシャトルでも何本ものジェット噴射が必要です。少しずつ上昇しながら加速していくわけです。これと同じように、業務をこなすことが仕事だと思っていると、目指すところが違ってしまいます。しっかりと目標を掲げて、そこに向かって邁進するしかありません。

ーー業務と思うから追いつかなくなると。

小林社長:はい。そして、モチベーションが下がるのは、達成していないから。周りにタスクがたくさんあると、全部まんべんなくやろうとして、結局どれも未達で終わるんですね。1つずつタスクをこなしていけば、「達成!達成!達成!」と最後には大きな達成感を得られます。

業務を細かくつまみ食いしているから達成できないんです。例えるなら、まずはラーメン食べて、次にチャーハン、最後にデザートと、1つずつ集中して食べることが大切です。全部目の前に揃えて、一度に食べようとするから「もう無理」となってしまうのです。 

ーー目の前のことを一つずつ達成していくことが大切ですね。

新入社員は、先輩社員に積極的に質問しよう

ーー続いては、先輩の業務が忙しくて、質問や相談をすることに戸惑いがあるというお悩みです。このような状況で、新入社員はどのように行動したら良いと思いますか?

小林社長:その方の性格にもよるかもしれませんが、しつこく聞くという(笑)。

ーー忙しそうだなとためらってしまうこともありますよね?

小林社長:でも、聞く。先輩社員は必ず答える。それだけですよね(笑)。ただ、先輩社員は、聞きづらい雰囲気を出さないように心がける必要がありますね。声をかけやすい環境を作るべきです。そして、新入社員はどんどん質問をしていく。

ーーお互いの姿勢が大切ということですね。

小林社長:そうです。新入社員はそこでしっかりメモを取り、同じことを何度も聞かないことですね。聞かないためには、自分で行動する必要があります。

ーーなるほど。前回の店長就任インタビューでも「話しかけづらい雰囲気を作らないように意識している」というお話があったのですが、社風としてそういうものはありますか?

小林社長:確かにそういう雰囲気はありますね。ただ、先輩社員やマネージャー、上長も目標達成を目指しているので、みんなそれぞれ仕事に没頭しています。なので、新入社員にはOJTでその渦の中に入ってきてもらわないといけません。走っているのに、歩いていてもらっては困りますから。「走ってついて来い!横におれ!」という感じですよね。

走るスピードを上げるためには、量をやり切ること

ーー先輩社員の横で走りながら、渦の中に入っていくと。

小林社長:巻き込まれて、追いついてこないといけません。走るスピードが遅くても、頑張ってついてきてもらわないと。そうなると、先輩と一緒に速く走らないといけないので、量をやることです。運動も同じで、たくさんトレーニングしないと速く走れないですよね。先輩社員は自分のペースを落とせないので、新入社員が頑張る必要があります。

ーー先輩社員は、新入社員と同じスピードに合わせないと。

小林社長:合わせられないんです。目指すところがあって、もっと早く走らなければならないわけですから。ですので、マンツーマンで「腕はこうやって上げて」と教えている場合ではないんですよ(笑)。

ーー確かに、基本的なことを一から教えていく時間はないですよね…。

小林社長:はい。自分でやらなければなりません。もちろん、先輩社員の走り方を見ながら。先輩社員は一生懸命走っていますから「あんな風に走ればいいんだ」と見て、自分の中でトレーニングをしていくことです。

仕事を成功させてプライベートで幸せになろうと思うなら、仕事時間を単なる仕事と捉えないことです。仕事が終わった後に資格を取るための試験勉強をするとか、そういうことをすべきですね。資格を取って初めて、スタートラインに立つか立たないかくらいですから。

なので、まず量をやらなければなりません。仕事が終わって「あ~、仕事終わった」と遊んでいるのでは、ダメなんですよ。最初の3年、5年、10年はとことんやり切る。そうすると、30代がすごく楽になるんですよ。

ーーなるほど。社長はどのように取り組んでおられたのですか?

小林社長:私は20歳から始めて、30歳くらいまでプレーヤーとしても活動していました。そのおかげで、会社の基盤や信用をこの10年でしっかり築けたなと思います。だからこそ、今のサンリーグループがあるのかなと感じています。

やり続けることで、結果は必ず遅れの法則で出てきます。最初からいろいろ考えてしまっては、ダメなんですよ。とりあえず、何も考えずに量をやり切ることです。

心構えと事前準備がどれだけできているかが、成約に繋がる

ーー最後は、単独で顧客対応をすることに不安を感じるというお悩みです。初めての顧客対応を行う際に、業界問わず心がけるべきポイントは何だと思いますか?

小林社長:心掛けるポイントは、事前対応ですね。やはり、最初は不安なんですよ。どうやってお客様に紹介すればいいのか、どのようにお客様を導けば良いかなど、分からないことが多いですから。

でも先輩がいるので、クロージングまでの流れや揃えておくべき必要物など、先輩と同じものを全部揃えて真似すると良いと思います。

そのうえで、自分で練習を重ねてから、お客様に対応することです。それでも、対応したら不十分だと感じるかもしれませんが、自分の気持ちに余裕があるとお客様に対しての引き出しが多くなります。

一生懸命伝えようとすると、その気持ちが最初の頃は伝わります。「これだけ一生懸命やってくれるんだったら、あなたに任せるよ。」と言ってくださるかもしれません。逆に、事前準備が不十分だと、お客様も「上っ面でやろうとしているな」と感じてしまい、気持ちが伝わらないので、成約に繋がりません。

ーー心構えが大事ということですね。

小林社長:心構えと事前準備がどれだけできているかが成約に繋がります。成約がないのは、それらが不足しているだけなんですね。

ーー事前の準備ができてないから失敗すると。

小林社長:そうです。そして、失敗を失敗と捉えるのではなく、次へのチャンスや学びと考えるべきです。「今回、ここがちょっとまずかったな」と思うところがあれば、それを次に改善していく。その繰り返しですよね。

ですから、新入社員は悩んでいる場合ではないんですよ。悩むよりも、行動を起こさなければなりません。

ーー悩む暇があったら、行動しようということですね。

小林社長:行動するしかありません。例えば、資料準備してないなら、準備しなさいと。覚えていないことがあるなら、覚えなさいと。地理が完璧でないなら、完璧にする努力をしなさいと。

ーー本当にやることがたくさんありますね。

小林社長:そうなんですよ。それらをすべてやっていけば、悩んでいる暇はありません。行動しても終わりはないですし、新しい目標もどんどん見つかりますから。

ーー最後に、今回は新入社員によくある悩みについてのQ&A特集という内容でしたが、サンリーグループにはどういった方に来ていただきたいですか?

小林社長:当社では、成長を重視する姿勢を持った方に来てほしいと思っています。自分自身を高めたいという意欲があり、挑戦することを楽しめる方を歓迎します。成長の気持ちがない方よりも、チャレンジを楽しむ姿勢を持った方が当社には向いていると思いますね。そのような方々が輝ける舞台を用意したいと考えています。

ーー確かに、サンリーグループの社員の方はそういう方が多く、活気に満ちていますね。本日はありがとうございました!