新年度企画、今回は新卒向け!コミュニケーション能力に語学力、プレゼン力に傾聴力……色々な「力」が入り乱れる現代社会で、専務が思うこれだけは外せない「力」とは?そして自分への自信のつけ方とは。

(プロフィール)
小林 和晃(Kobayashi Kazuaki)
取締役専務/採用責任者。高校卒業後、大工としてキャリアをスタート。創業者である社長と共にサンリーホームを牽引。

 

現実は、思考からしか生まれない。何よりもまず「心のあり方」!

――新年度になりましたね。全国で新入社員が奮闘しているこの季節、このインタビューでは「新卒に身につけてほしい力」をお伺いしたいと思っています。ズバリ、専務が思う最も大切な「力」を挙げるなら何になりますか?

小林専務:いちばん大切なのは、マインドです。心のあり方。それがすべてを決めていきます。

――マインド、ですか。

小林専務:現実は思考からしか生まれないんですよ。何を想い、考えているかが現実を決め、未来を決めていく。心のあり方が決まれば、目的や目標が定まりますし、人生のビジョンが見えてきますから、どんな会社に入ればそれを実現できるのかも分かってくるはずです。

――「現実は思考からしか生まれない」は、深い言葉ですね。本当にそうだと思います。

小林専務:小さい頃っていろんな夢を抱くでしょう。空を飛びたいな、とか、私の世代だったら「手からカメハメ波出ないかな」とか(笑)。そういう純粋なものから始まって、空を飛びたい気持ちが宇宙飛行士になるかもしれない。でも「空を飛びたい」と思わなければ宇宙飛行士の道は開けない。何かを「したい」と「思う」からこそゴールが決まって、初めてそっちの方向に歩き始めることができるわけです。茨の道があってもそこを目指せばいいとわかるような一筋の光のことを、マインドや志と呼ぶのだと思います。

――自分って本当は何がしたいんだろう?ということを常に考えて意識しておこうということですね。

 

三つの円の重なり合いを大きくする。

――では、マインドを含め、サンリーホームの新卒に身につけてほしい力を三つ挙げるとしたら何になりますか。

小林専務:マインドが一つ目だとしたら、あとは、ノウハウと、スキルです。ノウハウは「やり方」です。営業だとしたら、どうやってお客様に伝えるか。スキルは技能や知識のことで、やはりそこがないと何も話せないので重要です。商品のことにも仕事のことにも限りなく詳しくなってほしいと思います。いくらマインドセットがしてあっても、三つが揃っていないと自信は持てません。ちゃんと三つを磨けば、円がそれぞれ大きくなって、円が重なる領域も広くなります。そうすると自分のやりたいことが徐々に叶ってきます。

――今、「自信」という言葉が出ましたが、専務は新しい社員が入ると「四つの自信」というお話をされているそうですね。

小林専務:はい。「四つの自信」というのは、会社に対する自信・職業に対する自信・商品に対する自信。自分に対する自信、のことですね。でも社員にはその中で「自分に対する自信」だけ持ってくれ、と話します。あとの三つは会社が頑張るから、私に任せておけ、と。

――会社・職業・商品に対する自信は、専務持ちですか?

小林専務:そう、会社=私なので。経営者として私がサンリーホームを良い会社にしていけば、社員は職業と会社への自信は持ってくれると思います。商品の知識だってこっちから授けるから、社員はそれを学べばいい。とにかく自信のある私が目の前にいるから、社員も自信を持て、と。

――頼もしい!しかし、どうすれば自分への自信って高められるんでしょうか。

小林専務:そこはやはりまたマインドにつながってきますが、燃えるような願望や志がないと動いていけないんじゃないでしょうか。そして、情熱。先ほどの三つの力に加えるとしたら情熱なんです。情熱のないところには技術もついてきませんし、自信も然りです。

――ビジョンに向かって情熱を持って走っていけば、その過程で経験も技能も増えて、結果的に自信もついている、という状態は理想ですね。しかし、日々は色々あって挫けそうになることもきっとあると思うんです。日々を乗り越える自信をつけるために「毎日できること」って何かありますか?

小林専務:俺はできる、私はできる、と鏡の前で言うこと。言霊は自分に返ってきますからね。それから人に向かってニコっと笑うことも大事ですよ。挨拶するときに「おはようございます!」、帰る時に「お疲れ様でした!」と笑顔で言うこと。どれだけプライベートで嫌なことがあっても、その空気を引きずって職場に来たら職場までぐったりしてしまう。

――誰でもできることでありながら、すごく大事ですね。挨拶の話もそうですが、「自分もまた周りに影響を及ぼしている存在だ」と気づくことから大きく成長できそうです。

 

「成長が止まる人の特徴」とは?

――最後に、「成長が止まってしまう人の特徴」をお聞きしたいと思います。

小林専務:目標を達成してしまった方、あるいは目標があっても目的を見失ってしまう方は成長が止まりがちかもしれません。

――前者はわかりますが、後者の「目標はあるのに目的を見失う」とはどういうことでしょうか?

小林専務:目的というのは目標より一つ深いところにあって、その人の真髄や志が関わってくるところです。そこをないがしろにし、「売上目標」や「どこどこで働きたい」、「賞を取りたい」などの目標ばかりを追いかけていると、いずれパッションダウンが起きます。目標だけを達成して、でも満足感が得られないときは、おそらく自分の中にある真の目的の手前で止まっちゃっている時なんじゃないでしょうか。

――「何のために頑張っているのか」という問いに対する、自分だけの答えみたいなものかもしれないですね、目的って。

小林専務:そうですね。あとは感謝をする方が成長し続けられると思います。身近なところでは、夫婦間の感謝。男性だと特に、仕事さえしていれば「自分はやっている」感を持ってしまいがちですが、ちゃんと奥様に感謝をして、助け合っていくこと。本当に仕事ができる方は、家庭でもちゃんとできます。どちらか片方しかできていないなら、それは本当はどっちもできていないのだと思います。

――能力があってもキャパオーバーするというケースはあり得ませんか?

小林専務:マーケティング用語で2:8の法則(パレートの法則)というものがあって、これは2割の優良顧客が売上の8割を決めているというもの。仕事に転化すれば、2割の大事な仕事が8割の成果を出しているということです。キャパオーバーも現実には起きるんでしょうけれど、まずは「たくさんある仕事のうち、何を2割の優先事項にするか」をよく考えて決めれば、限られた時間で成果をあげやすいのではないかと思います。

――やることが多すぎると、順序を考える暇もなく全部やらなきゃ!となって成果が上がりにくくなっているケースってものすごくありそうですね。これは身にしみます。

小林専務:もし本当にちゃんと2割の優先事項をきちんとやっているのに成果が上がらないのだとしたら、単にマインド・ノウハウ・スキルそのものが少ないのかもしれません。だから、できることを増やし、円の一つ一つを大きくする努力をすること。たとえばビル・ゲイツの2割と私たちの2割は違うでしょう。彼の2割は莫大なことが起きる。私も日々自分の円を広げる努力をしながら、円が重なり合う部分を大きくしていきたいと思っています。

――そうですね、やはり具体的に自分にできることを一つずつ増やしながら、大きな目的や意味を忘れないように歩んでいかないといけませんね。今日はありがとうございました!