2021年秋に、分社化に伴い、建築会社のサンリーハウスに異動し、建築部門の係長を務めることとなった田中さん。男性ばかりの三人からスタートしたチームには、その後設計担当のスタッフも増え、各地で新たな住宅の建築が同時進行するなど忙しい日々を送っています。この1年を振り返っての心境や、この先のビジョンについてもお聞きしました!

(プロフィール)
田中 友規(Tanaka Yuki)
石川高専の建築学科を卒業後、施工管理会社に就職。2015年にサンリーホームに転職し、建築と管理部門を兼任で主任チームリーダーを務めたのち2021年秋の事業拡大を機にサンリーハウスへ異動。セミオーダー住宅等の建築事業・建物管理事業を統括する係長となる。

成長を感じつつ、課題も明確になった1年

ーーサンリーハウスが設立されて1年が経ちました。この1年を振り返っていかがですか?今の率直なお気持ちを聞かせてください。

田中さん:長くアパート建築を担当してきまして、そこからサンリーハウスへ異動し、戸建て住宅をメインにこの1年作り続けてきました。アパートに比べて建物の形が複雑だったり、アパート以上にこだわる部分があったりして、メンバーも自分も成長できる1年だったと感じています。

ーー成長できたからこそ、課題も見えてきたそうですね。

田中さん:そうですね。分譲だけではなく、もっとこだわったお客様にも対応できるサービスを提供したいと考えています。個人の注文もどんどん増やしていきたいなと。

ーー初年度の目標に対して、進捗はいかがですか?

田中さん:分譲の棟数で言えば、ほぼ達成できたと思います。ただ、注文という目標に関しては、目安としていた数字が完成ベースなので少し足りなかったですね。来期に完成し、今も注文を進めているので、来期は今期より少し結果が出るような状態です。

ーーこの1年で新たに発見した”サンリーハウスらしさ”はどんなところでしょうか?こういうことができる、うちの強みはこれだ、と改めて感じたところはありますか?

田中さん:まだ人数が少ないので、設計担当と現場担当、そしてコーディネーターが同じスペースで作業しているので、変更があった時もスピーディに対応できるのが強みですね。その中でも”サンリーハウスらしさ”というと、それぞれの担当が連携できているという部分だと思います。

ーーチーム全体で進めていくのが、サンリーハウス流ということですね。

田中さん:今は建築士メンバーも増えましたが、元々は設計も施工も関係ない状態でやっていました。そういう面では、最初のメンバーは施工のことも設計の申請も熟知しているので、協力しながらやっていけます。最近入ってきた設計のメンバーは、現場にはほとんど行かずに業務を進めているので、それはそれでどんな風になっていくか、今からおもしろくなっていくのではないかと思っています。

ーー建築士の新メンバー・打田さんにも、先日インタビューさせていただきました。

田中さん:打田さんは建築自体が好きなメンバーなので、そういった面でまたこだわりが出てくるのではないでしょうか。これまでは、現場を見ながら提案書を作成してという作業には、時間がかかっていたのですが、打田さんが入ったことで、提案のスピード感も増しています。

断熱、耐震性能を向上。さらにサンリーらしい+αの価値づくりを

ーー前回のインタビューで、コロナ禍で土間やベランダの需要が増えたという話がありましたが、現在のニーズに合わせてお客様に新たに提案していることはありますか?

田中さん:今タイムリーに増えてきているのは、平屋のご要望ですね。

ーーなぜ平屋のニーズが増えているのでしょうか?

田中さん:生活動線が1階で全部完結できる、高齢になって体力が落ちてから2階に上がらなくていいというメリットがあるためですね。どうしても平屋の方が、基礎面積が広くなったり屋根面積が増えたりするのでコストは上がりますし、2階がない分、直射日光が当たって暑さを感じるので、断熱性能も上げなくてはいけないんですが。

ーー設置基準を高めにしなくてはいけないということですね。

田中さん:断熱等級は、少し前までは断熱等級4が最大だったんです。今断熱等級5が出て、6、7も出てきました。断熱性はどんどん上がっていくことが予想されますので、そこには対応しながら差別化していきたいです。

ーー断熱性能に加え、耐震性能もアップさせているとお聞きしました。

田中さん:最近、地震や洪水などの災害が多く発生していることも受けて、制震装置を分譲やセミオーダーに入れる取り組みも始めました。オプションではなく、標準での提供です。震度7の地震や繰り返しの地震にも耐えることができます。

ーーそのあたりがサンリーハウスらしさにもつながるのでしょうか。

田中さん:断熱性能など数値的に見えるところは、いい断熱材などを入れればできてしまう部分なので、そこよりも、デザインや間取りなどのプライスレスな部分に力を入れていきたいです。性能は標準にしながら、価値が増大する部分で良さを認めてもらえるようにしていきたいですね。

ーー時期がくればサンリーハウスらしさが出てくるということですね。

田中さん:分譲は今建てているので、サンリーらしさが出ているものが見せられる場所にあるのは強みだと思います。紙やパースで見るより、モデルハウスが色々なところに建っていますので。普通の住宅メーカーでは展示場をつくらないとできないようなことだなと。

各メンバーの主体性を強め、喜ばれるこだわりの家を新提案したい

ーーメンバーも増え、リーダーとして求められる業務の幅も広くなっているのではないでしょうか。プレッシャーは感じますか?

田中さん:今は業務に追われているので、忙しさでプレッシャーは感じていません。住宅を建てたり、完成するのを見たりするのが好きなので、もっといいものを建てたいという想いの方が強いですし。建て続けられている喜びの方が大きいですね。

ーー今、チームに求めることはどんなことですか?

田中さん:スタッフが増え、任せないとできないことも増えてきたので、各メンバーの主体性を強めたいです。私僕が指示するより、聞いてきて前に進むような動き方ができれば、よくなるんじゃないかなと思います。

ーーズバリ、チームの理想形はどういう状態ですか?

田中さん:例えば案件が決まったら、それぞれが阿吽の呼吸で、流れも明確で、スムーズにもれなく進む。業務的にはそれが理想ですね。ただそれだと、淡々とこなすだけになってしまうので、その中で自分の個性やおもしろみを見つけながら改善できるようになると、もっといいものが生み出せる環境になると思います。

ーー「効率よく進める」と「新しいことに挑戦する」、この両方のバランスが大切ですよね。

田中さん:私自身は強い目標や信念をもって働かせてもらっていたので、その面で新しいことに興味を持ちながら仕事を続けてくることができました。それを私以外のメンバーにも感じてもらえたらと思います。

ーー田中さんの考える今後のキャリア像についてはいかがですか?

田中さん:やりたい建物づくりには、まだ到達してないんです。家は建てていますが、もっとこだわったものを作りたい。ローコストなど今あるシリーズに加えて、さらにもっと、自然素材を使ったものなどいくつか新シリーズを提案したいです。お客様に喜んでもらいたいですし、そういうことをやっている企業グループとして石川でトップになりたい、北陸を代表する企業グループになりたい、という夢はあります。

ーー今のお話を聞いて、田中さんのビジョンと会社のビジョンがマッチしていて、一緒に歩けているのだなと感じました。

田中さん:社長は「よりよい住環境を」と、もっと高いところを目指していると思いますが、住環境となると幅広いので、私はその中でも建築という部分で役に立ちたい。ローコストもやりながら、よりこだわりを持つお客様にも喜んでもらえる商品も網羅できている、両方ができる企業グループにしていきたいですね。

ーー常に進化し続けるサンリーハウスで、チームをまとめながらその先を考えている田中さん。ハイクオリティなニーズにも応えるような、新たな住宅シリーズの登場が楽しみです。今日はありがとうございました!