「社員のことは自分の子供のように思っている」と話す小林社長。社長インタビュー、ラストとなる今回は、社員の方々への想いやそこから生まれた職場改革、さらには「面接で聞く質問は?」「求める人材像は?」など就活に直結するお話も聞いて参りました。学生の皆さん、必読です!

小林 絹代(Kobayashi Kinuyo)
代表取締役社長。実業家の父のもとに生まれる。結婚・離婚を経験し、金沢の不動産会社に勤務したのち2007年に独立。サンリーホームを創業する。人生のモットーは「念ずれば花開く」。

「三方良し」は社員の幸せからはじまる。

――以前、専務にインタビューした際に、ちょっと意地悪な質問で「顧客・社員・社会の三つの中で敢えて一番大事な一つを選ぶなら?」とお聞きしたところ、「社員」とお答えいただきました。社長も同じ考えでしょうか。

小林社長:一番大事というより、順番として「まず社員」ということなのかなと思っています。社員が精神的にも物質的にもある程度余裕があり、幸せじゃないことには、お客様を幸せにすることは絶対できないなという想いがあります。「会社は人なり」ですから。

――お客さんも、幸せそうな人から幸せな住まいを紹介してもらいたいですもんね。

小林社長:絶対そうでしょうね。なので、社員たちの生活が幸せに回っていくような職場環境づくりを常に心がけています。

――社員とのコミュニケーションで心がけていることはありますか?

小林社長:現状、制度として「年に〇回の面談を必ずします」のようには決めておらず、小さい会社で一緒に働いている仲間なので、常日頃から声をかけてコミュニケーションをとっています。それから食事会、ボーリング、BBQ大会、旅行なども、コロナで多少機会が減りましたがよく行っています。当社は子どものいる女性が多いので、私とだけじゃなく社員同士でもご家庭のことについて相談がしやすい環境なんじゃないかなと思いますよ。

コトバだけでは終わらない、社長発案の職場改革!

――「まずは社員を大切にする」という考えから具体的に生まれた制度や改革はありますか?

小林社長:いろいろありますが、たとえば10月末から店舗の営業時間をちょっと前倒ししたんですよ。それも職場環境改善の一環なんですが。これまで9時半~18時の営業だったのを、9時~17時半に変えて。それなら育児中の社員が18時までに保育園のお迎えに行けますよね。習い事にも連れて行けるし。

――そこの30分の差はとても大きいです。ほとんどの保育園は、18時を過ぎると延長料金がかかりますから……。子育て中の社員に個別で少し早く帰れるよう便宜をはかっている会社はよくありますし、サンリーホームでも以前から個人に合わせて柔軟に勤務を組んできた例があるのは知っていましたが、今回のは全社的な変更なんですよね。これ、業界的にも珍しくないですか?

小林社長:たしかに多くの不動産会社は18時や18時半ごろまで開けていますし、珍しいのかもしれませんが、こういうことも自分たちが判断すればいいことなのかなと。一回やってみて、良さそうだったらずっとそうしてみよう、って。

――「自分たちが判断すればいい」というトップの一言は、すごく重く感じます。そして全社で変えるっていうのが社会的にもインパクトがあるんですよね。この影響は女性だけではなく男性にもある気がします。というのも、子育ては母親と父親が半々で担うような共働き夫婦が当たり前になってきてはいるものの、まだ男性が個人的に会社にかけあって時短勤務をするのってハードルが高いじゃないですか。でもこうやって全社が変わると、男性も女性も当然の権利として早く帰れるようになって、男性も普通に子供のお迎えに行けるようになるし、家に帰ってご飯をつくる役目も担える。いずれ、不動産業に従事する男性の奥様がたのほうから「アナタ、サンリーホームで働いて!」みたいな声もあがるかもしれない(笑)。

小林社長:そうなるといいですね(笑)。でも本当に、有難いことに優秀な社員が多いと思っているので、彼ら・彼女らにはちょっとでも働きやすい職場で、長く働いて欲しいんです。そして、自分たちの子供も当社にいれたいよっていう人が出たら嬉しいですね。そういう会社でありたいです。

――こうした変更は社員からの要望に基づいているんですか?

小林社長:今回の営業時間変更については、とくに要望があったわけではありません。普段からいろいろと話を聞いている中で、こうした方が負担が減るのかな?とこちらの側で考えてやったことです。毎日何時間も一緒にいますので、喜びも悩みも分かち合っていると、だんだん家族みたいになってきますね。私としても、社員がイキイキと働いているのを見るのが一番幸せな瞬間です。

人生を切り拓き、仲間とともに未来をつくれ!

――最後に採用についてお聞かせください。ずばり、どんな人に社員になってほしいですか?

小林社長:自分の人生は自分で切り拓くという強い意志を持っている方にぜひ来ていただきたいです。これはどこの会社に行っても言えることではあるんでしょうけれど、自分の人生を他人に委ねず、自分で切り拓いていくものと考えていないと、人は絶対に成功しないと思うんです。あとは表情がいい人がいいですね。接客業ですので、明るくてにこやかで、口角の上がっているような方がいいなと思います。

――面接ではどんなことを聞いていますか?

小林社長:その人の歩んできた道のりを主に聞きます。最近のことや、仕事への想い、不動産会社への想い、情熱などを聞きながら、私たちと心を一つにして働いてくれそうな人かどうかを判断します。やはり、ここまで業態を広げられたのも、社員が強い共通認識を持っていてくれていたからだと思うんです。「建築もやっちゃう?」「努力すればできるんじゃない?」「じゃあやろう!」って、社員が一緒になってくれたからこそ実現できたので。

――そういえば、専務もあまり「できない」って言わない人ですよね。

小林社長:そうそう。そういう風に「できるはずだ」と信じて前に進んでいると、だんだん仕事が楽しくなってくるんです。今日はどんなお客さんが来られるんだろう、明日は何ができるんだろうって。それを社員と分かち合って一緒に楽しめるっていうのが、社長業の一番楽しいところですね!